尊厳死宣言書の問題点の一つに、作成時と使用時のズレがございます。
将来の自分の気持ちは分かりません。明日は大丈夫でも半年、1年、数年先はどうでしょう。
このような、時の経過による問題は、こまめに書き直すことで解消できるかもしれません。
ですが、健康な時の気持ちと、例えば余命を宣告された時の気持ちが、果たして全く同じであると言い切れるでしょうか?
また、尊厳死宣言書は意思の疎通が困難な場合に利用されるべきものですから、そのときには既に意思の再確認が難しいケースが殆どでしょう。
つまり、宣言書の内容を取り消したくとも、それが出来ない危険性があるということになります。
ご家族にとってはどうでしょうか。
宣言書の内容に沿った現状が、あきらかに本人が望んでいたものとは違うと感じていても、宣言書に反する決定を行うというのはものすごく大変なことです。
今回は、撤回・変更に関する問題点を取り上げてみました。
尊厳死の問題点についてお探しで、当ブログに辿り着いてしまわれた方のために、一冊の本をご紹介いたします。
はじめて学ぶ生命倫理
「いのち」は誰が決めるのか
小林亜津子 ちくまプリマ―新書
このような話題について扱った本の中には、あまりにも学問的になってしまったり、個人的立場や独自の死生観で書かれたものも多いのですが、その中でこの本は比較的解り易く、バランスの取れた内容になっていると個人的には感じております。
お探しのものとは違っていたり、好みに合わない場合は申し訳ございません。
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