まずは基本的なところからです。
複数の遺言書がある場合、前の遺言と後の遺言で抵触する部分があるときは、後の遺言が優先されます。
時々、単に後の遺言が優先される、と説明されることもございますが、あくまでも抵触している場合ですから、抵触しない部分については有効です。
ここでいう抵触とは、前の遺言がそのまま有効となってしまいますと、後の遺言が実現不可能となってしまうような矛盾を抱えた状態といったところでしょうか。
ですから、それぞれの遺言の内容が全く関係ないような場合は抵触しませんので、どちらも有効と考えられます。
ちなみに、前の遺言を前提に後の遺言で条件がプラスされたケースにおいて、両者は抵触しないと判断されたものもございます。
今回は、抵触する遺言による撤回の話でした。
次回は、本題に入る予定です。
ちなみに、遺言の訂正・撤回は自由に行うことができるとされていますが、あくまでも遺言の方式に従って行う必要がございます。その際、公正証書遺言を自筆証書遺言で撤回することも可能です。
ただし、複数の遺言が存在する場合、色々と問題が出てくることもございますので、訂正・撤回は慎重に行う必要がございます。
時には、前の遺言自体を全て撤回した上で、一から書き直す方が良い場合もございます。
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