前回、法的効力を持つ遺言(いごん)と法的効力の無い遺言(ゆいごん)を区別するという考え方をご紹介致しました。
また、遺言(ゆいごん)の中に遺言(いごん)が含まれるとする考え方と、遺言には少なくとも二つの意味があるというお話をさせていただきました。
両者はある意味全くの別物なのですが、一般には遺言(ゆいごん)という表現で一括りにされてしまうことが多いようです。
このため、法律的な遺言(いごん)をご存じない方だけでなく、多くの方に誤解を生じやすい状況にあると感じております(前回申し上げた通り、法的効力を有するものを「ゆいごん」とする説も在るようですが、ここでは、便宜上「いごん」としています)。
広い意味での遺言「ゆいごん」には、先人たちから次の世代の若者に向けたメッセージや教訓も含まれる場合もあるでしょう。
もちろん、文章だけでなく、残される者に贈る言葉なども含まれるでしょう。
また、人生や生き様が描かれた本やドラマのタイトルとして用いられることもあるでしょう。
このように遺言「ゆいごん」には様々な意味がございますので、要式行為である法律的な遺言「いごん」を作成する際には、きちんと区別することが大切です。
次回はもう少し遺言「ゆいごん」の範囲を狭めて(遺産相続等に絞って)取り上げる予定です。
コメントをお書きください